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手書きするということ。

デジタル全盛のこの時代に
どうしても手書きで伝えたいという想いがある。

まっすぐ引かれた線より、すこし曲がっているくらいの線が好きです。
以前、きっちりした線をひいたり、いわゆる明朝体のようなきっちり
した文字を書いていた時に、
「きれいすぎて、手書きとは思えませんでした。印刷したものだと
勘違いしてました」
とお客様に言われたことがありました。

それを聞いた時に、完成度が高くても
書いた人の温度感といいますか、体温みたいなものが
伝わらないと、お客様はあまり読んでくれない、
とがっかりしたことがありました。

少しくらいゆがんでいる線のほうが、
人が手で書いた、というのが感じられて
いいな、と思うようになりました。

今日、サインペインターの方の作品を見に出かけた。
精巧に書かれた文字はアメリカのサインペインターさんの扉を叩き
教えを請うたのだそう。

文字を描くプロのかたに聞いたのですが、
ちょっとした線の歪みがいいんですよね。
全部手書きで修正は一切していません。
一気に書き上げます。

とのことでした。
技術的にもまだまだこの方とは比較にはなりませんが、
手書きだから歪んでいいんだよな
と妙に納得。

きっちりきれいに完璧に仕上げるのもプロの仕事だけれど
どこかに余白といいますか、余韻を残しておく。
そこに手書きの良さがあるのではないか、と
今日は確信が持てた。

足を運んで良かった。
手書きするということを、これからもますます大切に
していこうと改めて決意した日。